今年は早めに梅雨に突入してしまいました
高温多湿な日本の気候、そして昨今の気密性の高い住まいでカビから完全に逃れる術というのは、ハッキリ言ってありません。カビのひとつもない住まいなんて存在し得ないと言っても過言ではないのです

でも、カビの増殖をできるかぎり抑えることは住まい手の健康という観点からとても大切ですし、そのための方策もあります。今回はそんな要注意ポイントのうち、もっとも大切な3ポイントに絞ってご説明します

①生えているカビを蔓延させない。即断、即決、即清拭、がカギ!

カビは、私たちの目で見つけられた時点で既にコロニー(集落)化しており、多くの胞子を有して繁殖が激化しています。発見したまま見逃すことは住まい環境をより悪化させることになるため、極力避けなければなりません。

とはいえいちいち完全防備での掃除などできない忙しい方に必携なのが「消毒用エタノール」スプレー。カビを見つけたらすかさずこのスプレーを噴霧したボロ布(ウエス、乾いたもの)で拭い、再度カビにスプレーして綺麗なボロ布で拭き取ります。拭いた布はビニール袋などに密封して捨てましょう。

【気をつけたいカビ発生場所】
・エアコンの汚れたフィルター
・結露しやすい窓際のカーテンや押入れの壁


②カビのエサを放置しない。掃除の頻度をUPさせて!

梅雨から真夏にかけてはカビにとって最適環境。気温28度前後、湿度80%ともなればどんなに掃除を行き届かせても、カビは生えます。エサは手のひらから出る皮脂、洗剤や建材まで。全く気が抜けません。

梅雨~真夏の季節はなるべく平素の掃除の頻度を倍加するよう心がけたいところです。特にカビの生育を著しく促す「水」分の豊富な箇所に注目する必要があるのです。

【気をつけたいカビ発生場所】
・お風呂場全体、排水口
・洗面器の裏
・トイレの便器周辺

③カビの快適環境を作らない。温湿度計必携、複数セットを!

カビと湿度(水分)の関係は不可分です。湿度70%を切って65~60%まで落ちるだけでもカビの繁殖は抑制されます。

梅雨とは言っても晴れ間の屋外の湿度はぐっと下がりますので、折を見ての自然換気。そしてエアコンのドライ機能や冷房によっても室内の湿度は容易に下げられます。住まい内のいろいろな箇所に温湿度計を設置して湿度をまめにチェックし、なるべく60%前後に維持することが、カビにとっての快適環境を維持しないことになるのです。

【気をつけたいカビ発生場所】
・「帰って寝る」だけの部屋(の澱んだ空気)
・洗濯待ちの汚れ物が入った洗濯機(槽)
・干さない布団の入っている押入れ、ベッドの下